季節の養生に寄り添う、ハーブティーのある暮らし〜自然のリズムに調和する、心とからだのセルフケア〜
- 道敬 大塚
- 8月18日
- 読了時間: 3分

はじめに
春は芽吹き、夏は陽気に包まれ、秋は実り、冬は静けさに満ちる。季節がめぐるように、私たちの体や心もゆるやかに変化しています。「季節の養生」とは、この自然のリズムに合わせて心身を調整していく東洋的な知恵のこと。
そんな養生のひとつとして、やさしく寄り添ってくれるのが「ハーブティー」です。ハーブティーは、香りと味わいを楽しむだけでなく、日々の暮らしの中で、ちょっとした“ととのえ”の時間をくれます。
今回は、四季それぞれに合わせた養生と、おすすめのハーブティーの取り入れ方をご紹介します。
春のハーブティー:芽吹きと解放のとき
春は東洋医学で「肝(かん)」に対応するとされ、気の巡りや感情と関係があるといわれています。冬の間に内にこもっていたものが、外へと動き出す季節。環境の変化に敏感になるこの時期は、気分も不安定になりやすいものです。
こんな時におすすめのハーブティー:
レモンバーム:ほんのり柑橘系の香りで、気持ちをほぐすような軽やかさ。
ペパーミント:リフレッシュにぴったり。頭の中がスッキリする感覚に。
ジャーマンカモミール:ほのかに甘く、心をふわっと包み込んでくれる存在。
春は「新しいこと」に取り組む時期。そんな挑戦をやさしく見守ってくれるのが、春のハーブティーです。
夏のハーブティー:火照りと潤いのバランス
夏は「心(しん)」に関係し、エネルギーが最も高まる時期。活動的になれる一方で、熱や湿気により心身がオーバーヒートしやすくもあります。
こんな時におすすめのハーブティー:
ハイビスカス:鮮やかな赤が特徴で、酸味が心地よい。見た目も涼しげ。
ローズヒップ:フルーティーで甘酸っぱく、ビタミンを含むハーブ。
エルダーフラワー:ほんのり甘くて華やか。花の香りが気分をゆるめてくれます。
アイスハーブティーにして飲むのもおすすめ。目にも涼やかで、五感からクールダウンできる夏の一杯です。
秋のハーブティー:深まりと潤いの季節
秋は「肺(はい)」と関係し、乾燥によるトラブルが起こりやすい時期。感情面では「寂しさ」や「感傷」とつながることもあるといわれています。
こんな時におすすめのハーブティー:
ルイボスティー:クセが少なく飲みやすい。ノンカフェインで就寝前にも。
マローブルー:お湯を注ぐと紫色に変わる、美しいハーブ。喉にもやさしい。
リンデンフラワー:穏やかな甘さで、深まる夜のおともに。
秋は「実り」の季節。一年をふり返るような、静かな時間のお供にしたいハーブティーです。
冬のハーブティー:温めと静けさを大切に
冬は「腎(じん)」に関係し、エネルギーを内に蓄える時期。冷えやすくなるこの季節は、身体を芯から温めるようなケアが鍵です。
こんな時におすすめのハーブティー:
ジンジャーティー:ぽかぽかと身体が温まる感覚に。寒い朝の一杯にも。
シナモンブレンド:スパイシーな香りが冬らしいアクセント。
高麗人参ブレンド:ゆったりと飲むことで、内側からの力を感じられる。
冬の夜、毛布にくるまって飲むハーブティーの一杯は、何にも代えがたいご褒美の時間です。
季節のハーブティーをもっと楽しむコツ
旬の食材とのペアリング:例えば、春は菜の花のおにぎりと、ペパーミントティー。秋はさつまいもとルイボスティーなど、食事との組み合わせも楽しめます。
お気に入りのカップを用意する:お気に入りの器があるだけで、気持ちの切り替えになります。
飲む時間帯を決めて“習慣化”:毎朝や夜寝る前など、ルーティンにすると自然と“養生”の習慣が身につきます。
おわりに
忙しい日々の中で、自分を整える時間はとても貴重です。ハーブティーは、その時間をつくってくれる優しい存在。季節の移ろいを感じながら、そのときの心と身体に寄り添う一杯を選んでみてはいかがでしょうか。
自然と共に、無理なく、やさしく整えていく。それが、季節の養生の第一歩です。



