薬膳とは?簡単にわかりやすく解説|初心者が今日から始める3つのコツ
- 道敬 大塚
- 9月22日
- 読了時間: 5分

「薬膳ってなに?」「難しそう」「特別な食材が必要?」そんなイメージを持っていませんか?実は、薬膳はとってもシンプルで、誰でも今日から始められる健康のための食事の知恵です。この記事では、「薬膳とは何か」を簡単にわかりやすく解説。難しい理論は抜きにして、基本の考え方と、今すぐ実践できる具体的な方法をお伝えします。あなたの毎日の食卓を、ほんの少しだけ豊かにするヒントを見つけてください。
薬膳とは、簡単に言うと「オーダーメイドの食事」
薬膳を一言で表すなら、「その日の自分の体調や季節に合わせて食材を選ぶ、オーダーメイドの食事」 です。
中国の伝統的な医学(中医学)の考え方をもとにしていますが、特別な漢方薬を食べるわけではありません。スーパーで普通に売っている野菜や肉、魚など、身近な食材を組み合わせるだけです。
「今日はちょっと疲れ気味だな」と思ったら、エネルギーを補う食材を。「暑くてのどが渇く」と思ったら、体を冷ます食材を。このように、自分の体の声を聞きながら、食べるものを選んでいくことが、薬膳のいちばん簡単な基本です。
薬膳を難しく考えないで!3つの超基本ポイント
薬膳を簡単に理解するために、覚えておきたい3つのポイントがあります。
1. 食材には「性質」がある(体を温める?冷ます?)
食材には、体を内側から「温める性質」のものと、「冷ます性質」のものがあります。
体を温める食材(温熱性):生姜、にんにく、ねぎ、シナモン、羊肉、えび
こんな時に:冷え性、風邪のひき始め、寒い季節
体を冷ます食材(寒涼性):トマト、きゅうり、なす、バナナ、すいか、緑茶
こんな時に:のぼせ、ほてり、夏の暑い時期、炎症がある時
どちらでもない食材(平性):にんじん、キャベツ、じゃがいも、さつまいも、卵、大豆
こんな時に:いつでも。日常的に食べるベースの食材。
今日からできる簡単なこと:寒い日や冷えを感じる日は、温める食材を多めに。暑い日やのぼせている時は、冷ます食材を選ぶように意識してみましょう。
2. 自分の「体調」を意識する(これが最重要!)
薬膳でいちばん大切なのは、「今日の自分はどんな状態?」と自分に問いかける習慣です。
体が重だるい? それとも軽い?
お腹は空いている? それともあまり食欲がない?
手足は冷えている? それともほてっている?
ほんの5秒でいいので、食べる前に自分を観察してみてください。これだけで、自然と「温かいものを食べたいな」「さっぱりしたものがいいな」と、体が求めるものがわかってきます。
3. 「季節」を味方につける
薬膳では、季節と体は深くつながっていると考えます。その季節に合った食材を食べることで、不調を防ぎます。
春:デトックスの季節。苦味のある菜の花や春キャベツがおすすめ。
夏:暑さ対策の季節。体の熱を冷ますトマトやきゅうりがおすすめ。
秋:乾燥対策の季節。肺を潤す梨やれんこんがおすすめ。
冬:温活・保存の季節。体を温める根菜や鍋物がおすすめ。
今日からできる簡単なこと:スーパーに並んでいる旬の食材は、その時期の体が求めているものが多いです。旬のものを積極的に選んでみましょう。
絶対に覚えておきたい!薬膳の2つの約束
薬膳を始める前に、とても大切なことをお伝えします。
薬膳は「食事」です。お薬ではありませんこれは最重要です。病気を治すためのものではなく、健康を維持したり、ちょっとした不調を整えたりするための「食の知恵」 です。具合が悪い時は、必ずお医者さんに診てもらいましょう。
「らしさ」を求めない。楽しむことがいちばん「薬膳らしい料理をしなければ」と肩に力を入れる必要はまったくありません。いつもの味噌汁に生姜を加える。それだけでも立派な薬膳の第一歩です。まずは「美味しい」「楽しい」と感じることを最優先にしてください。
今日から始められる!薬膳的な3つの食べ方
難しく考える必要はありません。以下の3つから、できそうなものをひとつ選んで試してみてください。
いつもの料理に「ひと工夫」加える
疲れた日や冷える日は、味噌汁やスープに生姜のすりおろしを加える。
のどが渇く日や暑い日は、麦茶を飲む(麦茶は体の熱を冷ます作用があります)。
お腹の調子が悪い時は、お粥を食べて胃腸を休める。
「色」で選んでみる薬膳では、食材の色もヒントになります。
赤い食材(トマト、人参、赤ピーマン):血やエネルギーを補う
緑の食材(ほうれん草、小松菜、キュウリ):気の巡りを良くする
黒い食材(黒ごま、黒豆、ひじき):腎の機能を助ける
白い食材(大根、れんこん、豆腐):肺を潤す「今日は赤い野菜が少ないな」と思ったらトマトを加えるなど、彩りを良くすることを意識するだけで、自然とバランスが整います。
「冷たいもの」より「温かいもの」を選ぶ冷たい飲み物や食べ物は、内臓を冷やして消化機能を低下させます。薬膳では基本は常温か温かいものを摂ることが推奨されます。エアコンで冷えた体には、常温の水や白湯、温かいお茶がおすすめです。
まとめ:薬膳とは、自分をいたわるための食事
薬膳とは、難しい資格や特別な食材が必要な特別なものではありません。
「今日の自分はどんな気分? 何を食べたい?」「今の季節に合った食材はなに?」
と、自分と対話しながら食事を選ぶ、とてもシンプルで自分らしい健康法です。
最初から完璧を目指さず、できることから少しずつ。生姜を一つ加えることから始めてみてください。その積み重ねが、あなたの体と心をゆっくりと整え、毎日をよりイキイキと過ごすための力になってくれるはずです。
免責事項:本記事でご紹介した内容は、中医学の知識に基づく一般的な情報です。効果・効能を保証するものではなく、医療行為を目的としたものではありません。体調に不安がある場合や治療中の方は、必ず医師や専門家にご相談ください。



