薬膳生活茶で、心と身体に寄り添う暮らしを〜季節の巡りと共に味わう、やさしいお茶習慣〜
- 道敬 大塚
- 8月18日
- 読了時間: 4分

はじめに:お茶が変わると、暮らしも変わる
日々の暮らしの中で、何気なく口にしている「お茶」。その一杯が、体調や気分、そして季節の移ろいと調和していたら…もっと自分らしく、自然とつながるような時間になるかもしれません。
最近、注目されているのが「薬膳生活茶」というスタイルです。薬膳と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、薬膳茶はもっと身近な存在。身体にやさしく、日々の体調に合わせて取り入れる“暮らしのお茶”として、多くの人に選ばれています。
薬膳生活茶とは?
「薬膳生活茶」とは、中医学の理論に基づき、季節や体調に合わせた素材をブレンドしたお茶のこと。漢方薬のような強い薬効を求めるものではなく、あくまで日々の食事や暮らしの中に溶け込む、やさしい予防の考え方に基づいています。
素材には、なつめ・陳皮・クコの実・菊花・金銀花・黒豆・シナモン・生姜・ハトムギなど、身近な食材が多く使われ、味や香りも楽しめるのが特徴です。
薬膳生活茶の魅力とは?
1. 体調に寄り添うブレンド
薬膳茶は「体を温めたい」「巡りをよくしたい」「余分なものを流したい」など、その日の身体の声に合わせて選ぶことができます。
たとえば…
冷えが気になるとき → 生姜・シナモン・紅花などを含んだ温め系ブレンド
むくみが気になるとき → ハトムギ・黒豆・とうもろこしのひげ茶など
目の疲れがあるとき → クコの実・菊花・決明子など
その時の状態や季節に合わせて、お茶を選ぶことで、自分の身体とやさしく対話する時間が生まれます。
2. 季節の養生にぴったり
薬膳の基本は「未病を防ぐ」こと。四季の変化に応じて、お茶の内容も変えるのが薬膳生活茶の魅力です。
春:肝の働きを整える「菊花茶」「なつめ茶」
夏:熱を冷まし潤いを補う「はとむぎ茶」「ミント茶」
秋:乾燥を防ぐ「梨茶」「陳皮入りのブレンド」
冬:身体を温める「生姜紅茶」「黒豆茶」
季節を感じながら、お茶で養生する。そんなリズムがある暮らしは、心にも余白をくれます。
3. カフェインレスで安心
薬膳生活茶の多くは、ノンカフェインの素材で構成されています。寝る前にも安心して飲めるものが多く、年齢やライフスタイルを問わず取り入れやすい点も人気の理由です。
暮らしに取り入れるヒント
薬膳生活茶は、難しく考える必要はありません。以下のようなシーンで、気軽に始めてみましょう。
・朝の目覚めに一杯
白湯やシンプルなハーブティーで身体を温めて、めぐりを促す。
・お昼の食後に
胃腸の負担を和らげるブレンドで、午後も軽やかに。
・夜のリラックスタイムに
なつめやクコの実を使った甘みのあるお茶で、心をゆるめて深い眠りへ。
市販の薬膳茶を選ぶときのポイント
薬膳茶は、専門店やオンラインショップでも気軽に購入できます。選ぶ際は、以下の点を参考にしてみてください。
自分の体調や悩みに合ったブレンドか?
無添加・無着色で安心して飲める素材か?
カフェインの有無(夜に飲む予定ならノンカフェインが◎)
飲みやすさ(香り・味のバランス)
パッケージに書かれた効能をうのみにするのではなく、「いまの自分にやさしいかどうか」を基準に選ぶのがポイントです。
手作り薬膳生活茶にチャレンジ
薬膳素材は、スーパーやアジア食材店などでも手に入るようになってきました。自分でブレンドしてみるのも楽しい時間です。
おすすめの基本ブレンド例(リラックス系)
なつめ(3枚)
クコの実(小さじ1)
菊花(2〜3輪)
お湯300mlで5分蒸らして完成
香りや味の変化を楽しみながら、自分にぴったりのお茶を見つけていくのも、薬膳生活の醍醐味です。
おわりに:お茶と共に、自分をいたわる時間を
薬膳生活茶は、医薬品のような即効性を求めるものではありません。けれど、日々の積み重ねが、自分を整える“土台”を作ってくれます。
季節を感じながら、自分の心と身体に耳を傾ける時間。一杯のお茶から、やさしい暮らしがはじまります。
「今の自分に合うお茶はなんだろう?」そんな問いから、薬膳生活茶のある暮らしを、ぜひ始めてみてください。



